近年日本では、老後の生活資金をどうするかが大きな問題になっています。
退職後の資金計画によっては、長年住んだ自宅を手放し生活資金を得なくてはいけなくなるかもしれません。
そういった状況で役に立つのが、今回ご紹介するリバースモーゲージです。
リバースモーゲージとはどんなシステムで、どんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。
不動産におけるリバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは自宅を担保に入れることで、同じ家に住み続けながら資金が借りられるシステムです。
返済は契約者の死亡時に現金一括払いか、自宅の売却によっておこなうため、毎月の支払いは利息以外に発生しません。
リバースモーゲージは、主に55歳以上の高齢者を利用の対象としており、年金収入のみでの生活が苦しい世帯や、自宅の相続が必要ない世帯を中心に需要が伸びています。
借り入れた資金の用途制限は提供元によって異なりますが、金融機関から提供されるものは一般的に制限が少ないのが特徴です。
事業と投資以外の利用が可能な場合は、老後の生活資金だけでなく、子どもへの生前贈与やレジャーなどさまざまな活用ができるでしょう。
不動産におけるリバースモーゲージを利用するメリット
リバースモーゲージのメリットとしては、同じ家に住み続けながら老後の資金を得られる点が挙げられます。
返済は契約者の死後におこなわれるため、自宅の売却や引っ越しなどでライフスタイルを変える必要がありません。
また、毎月の支払いが利息のみというのも大きなメリットです。
年金から住宅ローンの残債を支払うのが難しい場合でも、リバースモーゲージに切り替えることで月々の負担が大きく軽減されるでしょう。
多くの金融機関では配偶者が契約を引き継げる仕組みを採用しているため、契約者の死後も配偶者が住居を失う心配がありません。
不動産におけるリバースモーゲージを利用する際のデメリット
リバースモーゲージは変動金利を採用しているため、利息の金額は一定ではありません。
よって、金利が高騰して返済額が増え、日々の生活に影響が及んでしまうことがあります。
また、不動産価格の影響も受けやすく、土地の価格が大きく下落した際には融資限度額が見直される可能性がある点にも注意が必要です。
新たな限度額以上の融資を受けていた場合は、途中での返済が必要になる可能性もあります。
このリスクを想定し、限度額いっぱいには借りず、ある程度余裕をもって借り入れるようにしましょう。
そのほかにも団体信用生命保険に加入できない、利用可能なエリアが限定的、長生きするほど資金不足に陥る可能性があるといったデメリットがあります。
まとめ
リバースモーゲージは家を手放すことなく、老後資金が得られるシステムです。
一方、金利の変動や地価の下落によって、予想外のトラブルに遭遇する場合もあるため、利用の際はあらかじめデメリットを把握し、リスクへの対策も考えておくと良いでしょう。
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